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「パルプンテ」の定義と唱え方について

 

みなさま、日々お疲れさまです。エボルバに入社してまもなく5年のヤギと申します。縁あって今回、エンジニアブログを書くことになりました。

 

いきなり白状しますが、かつて私はエンジニアという仕事は技術や知識が無い人はなれない「賢者な職業」だと思っていました。終日PCと向き合い、ひたすらコマンドをぶっ叩く人たち(プログラマーの事ですね)だと思っていたんです。

 

さらに、呪文のような横文字と専門用語を駆使し低レベルな冒険者(非技術系の一般の方ですね)に対し「俺たち凄いんだぜ!」感を醸し出す人たちだと思っていました。…我ながら偏見がエグい。。

 

そんな私が、エンジニアを代表してブログを書くことになるなんて…ホント、人生ってパルプンテです!

あ、ちなみにパルプンテというのはドラゴンクエスト(以下ドラクエ)というRPGで登場する「何が起こるかわからない魔法」の事です。

 

実は私、昨年までエンジニアとは程遠い部署に所属しておりました。したがってエンジニアのキャリアとしては約半年程度なんです。ドラクエ風に言えば初期装備の「こん棒」と「布の服」で日々、仕事というモンスターと戦っているようなものなんですね。。

 

ブログの話を頂いたときは、こんな私がエンジニアについて語れることなどあるだろうか…いっそひたすらドラクエの話でもしてやろうか…などと思いました。

 

でもウケを狙って「私の母親はボストロールに似ています」とか書いても高確率でスベるだけなので(笑)、業務の中で嬉しかったことや、自分の武器(エンジニアとしてのスキルなど)についてお話しします!

 

今の私の業務は「終了するサービスから、後継のサービスへの移行をご案内すること」です。基本的にメールや電話でご案内していますが、実際にお客様の所に行くこともあります。

 

そんな業務の中で、最近嬉しかったこと。とあるお客様(以下A様)からお礼のメールが来ました。

 

「昨日はわかりやすいご説明、ありがとうございました。色々分からず不安だったのですが、切り替えについて理解出来ました。」

 

メールを読んでいた時は、鼻の穴が2cmくらい膨らんでいたと思います!

 

私の武器は「相手に合わせて、分かりやすく説明すること」。以前教育関係の仕事をしており、その部分だけは自信があります。実際にA様と対応していた時、いくつか質問をされたのですがその中で、

 

「占有型と共有型の回線って何が違うの?」

 

という質問がありました。深掘りしたところ、その質問の背後にあるニーズが「コストよりも通信の安定性を取りたい」だったのですが、私は最初、以下のように説明しました。

どのように説明すれば「伝わる」のでしょうか??
どのように説明すれば「伝わる」のでしょうか??

 

ヤギ「占有型というのは、お客様拠点から局舎まで帯域を占有する回線です。アクセス部分が1対1の通信ですので、安定しやすいという特徴があります。

それに対し、共有型の回線は1対多の通信で、1本の回線を他のユーザーと共有します。時間帯によってパフォーマンスが異なってくるので、占有型ほど通信は安定しません」

 

「この説明で分かるでしょ」という方が多数かと思いますが、現場でお客様対応していると、そうでない方もいらっしゃいます。実際、A様の反応もあまり芳しくありませんでした。

 

理解できないというのは、「頭に描けていない」状態です。そこで、回線を道路に例えてもう一度説明してみました。

 

ヤギ「道路で例えますね。1本の道路に車が沢山走ると渋滞が起こりやすく、車は速いスピードで走れなくなるため、目的地までの到着が遅くなります。

 

共有型の回線にも同じようなことがいえます。1本の回線を沢山のユーザーで使うと、データを送るスピードが落ち、遅延が起こりやすいです。

 

対照的に、占有型というのは自分専用の道路のようなもので、渋滞が起こりにくく通信が安定しやすい特徴があります。」

 

A様「なるほど。それなら分かる!」

 

A様の笑顔を見て、私はホッとしました。「道路」という、A様にとってイメージしやすいたとえを使って上手くいったケースです。

 

その一方で、専門用語を使ってカッコよく説明したい、カリスマだと思われたい、という小っちゃい自分も私の中には存在します。そんなミジンコな自分が説明したらどうなるか…!?

 

ヤギ「共有型回線の特徴としては、まず光信号はスプリッタによって複数の光ファイバケーブルに分岐されるというものがあります。基地局側にOLT、ユーザー側にONUという回線終端装置を設置することで、ユーザーを仕分けることが可能となっています。

 

また、当該回線はベストエフォート型ですので、通信規格上の最大速度と比較した場合、バックボーンが細いなどといったボトルネックが原因で、公称速度どおりのスループットに達しない可能性がウダウダクドクド…」

 

A様「う、うん…(なるほど、分からん)」

 

私がA様の立場なら「もしお前が道で倒れていても、ゼッテー助けてやんないかんな!」と涙目で思っていたことでしょう。

 

相手からしたら「それが分からないから聞いている」のに、それより難しい言葉でガンガン説明されるパラレルワールドに連行されるわけですから、その心情は「お前が死にかけの勇者でも、ベホイミしてやんないかんな!」となります。あ、ベホイミというのはちょっと強い治癒魔法です(汗。

お客様がサイクロプスっぽくなっていますが、ご説明は「相手の理解に合わせて」を心がけています!
お客様がサイクロプスっぽくなっていますが、ご説明は「相手の理解に合わせて」を心がけています!

 

難しいことを難しい言葉で説明することなら、誰でも出来ます。人によっては強烈に苦手意識の強い分野だからこそ、

 

・相手が理解できる言葉で

・身近なたとえを使ってイメージしやすい具体例を出し

・時にはイラストや図解を駆使しつつ

・相手の反応を見ながら、分かりやすく説明してくれる…

 

自分が客側であれば、そういうSEに仕事をお願いしたいな、と思います。そんなSEになれるよう、自分の武器を磨きながらここからも頑張っていきます。

 

ともすると電話応対が堪能であったり、文書作成が速い、図式化(イラスト)が上手い、雑談ネタが豊富…といった、およそ技術や知識とはかけ離れているように感じる部分に、エンジニアとしての強みがあるのかも知れません。

 

少なくとも「対人対応」の中で得意なことが1つあれば、武器になるのではないかと個人的には思います。エボルバのエンジニア職に興味がある方は、是非勇気を出してご応募していただき、パルプンテを唱えてみてください。人生、何が起こるかわかりませんよ~!

 

…およそエンジニアとは程遠い文章になってしまいましたが、みなさまの心に、どこか1か所でも引っかかってくれれば嬉しいです。

 

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。